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インタビュー

湊はつはる先生インタビュー『枯れ恋リハビリ~悪あがき、シてもいいですか?』

『枯れ恋リハビリ~悪あがき、シてもいいですか? 』は、
「枯れ」をキーワードとして巻き起こる恋愛模様を描いた作品です。
こじらせOLと枯れオジ上司が織りなす新感覚ストーリーの紡ぎ手・湊はつはる先生に、
作品に対する思いやプライベートでの姿についてお答えいただきました!

今回のインタビュアーは担当編集のSです。
早速ですが、はつはるさんのご経歴を教えてください!

某少女漫画誌で賞をいただき漫画家としてデビューしたものの、一度挫折しまして。
ゲーム開発会社にウェブ担当として就職しましたが、
入社から2年ほどで会社自体の存続が危うくなり離職することに。
その後は広告媒体のイラストや4コマ漫画を描くフリーのイラストレーターとして活動しながら、
同時進行で同人活動の方も熱心にやるようになりまして。
コミケで出した漫画をウェイブの現担当さんが買ってくださって、
今作の連載のお声がけをいただきました。

想像以上に激動の漫画家人生を送っていたんですね!
ちなみに、漫画を描くのは昔からお好きだったんでしょうか?

両親が漫画好きな影響もあって、幼い頃から私もお絵描き大好きな子供でしたね。
母が雑誌に投稿する為の漫画を描くところを幼少期に横で眺めていたのを覚えてます。
両親共に私が漫画を描く事にとても協力的で、私が本格的に漫画を描き始めると、
私より盛り上がった父が背景資料集や漫画教本なんかを
大量に買って帰ってくるような感じでした(笑)

母が描いた同人誌も見たことがあります(笑)。

お母様の同人誌を!?なかなかに珍しい経験をされてますね!
続いては、今作についてお伺いさせてください。
今作では「枯れ」というワードがよく出てきますが、
こちらのテーマを描くうえで意識していることはありますか?

主人公2人は、「枯れてる」と否定的に表現することで
自分を守っている臆病な人じゃないかなって思って描いています。

古羽については、本人は枯れているつもりですけど
色気が漏れ出まくりなキャラクターとして描いています。
そういう色気に慣れてない晶が、臆病ゆえに古羽の枯れているところをわざわざ探して
「枯れオジ」「枯れオジ」と言って安心したがってる感じかなと。

今作は第1話のみ編集部から原案をいただいたので、
それを色々とアレンジさせてもらいながら私なりのものになるように描かせてもらっています。
「枯れ」というワードは私の引き出しからは多分出てこないテーマだったので、新鮮に感じました。

主人公たちのいう「枯れてる」は自分を守るための言葉なんですね。
古羽さんは枯れているって思えないぐらいの色っぽさがあって、魅惑的ですよね。

ありがとうございます。
晶は「枯れオジ」「枯れオジ」って言いますけど、
読んでる方には「枯れてねーよ! 」みたいに突っ込んでもらえたら嬉しいです(笑)

今作のキャラクターの話題が出たので、
そちらについてもお話をうかがいたいです。
主人公2人を含めて魅力的なキャラばかりですが、
お気に入りのキャラクターは誰ですか?

雅かな。
原案ではうわさ話を持ち掛ける程度の同僚っていう感じだったと思うんですけど、
関西弁とか個性を付けていくとどんどんキャラの強い女になって描きやすくなりました。
最終的に親友ポジションまで上り詰めたので、そういう意味で楽しいキャラができたなと。



雅は良いキャラですよね!
美しさとかっこよさを兼ね備えていて魅力的だなと思っていました。
お気に入りのエピソードも教えてください!

第3話が全体的に気に入ってます。
晶の中で古羽に対する評価がジェットコースターのように上下するっていう感じが、
自分で楽しく描けたなと思っていて。
上げて落として落として上げて、みたいなストーリーなので。

あと、晶が前髪を文房具のクリップで留めているっていうのが
キャラデザを作った時からある設定だったので、
それをお話の中で使えたっていうのが嬉しかったです。

3話といえば、最後に古羽さんと電話をするシーンもそうですが、
はつはるさんのセリフまわしは印象的なものが多いです。
こうしたセリフまわしについてはどのような点を意識していますか?

「説明ゼリフにならないように」っていう意識は強く持っています。
キャラには実際の会話でもあるようなやりとりで会話をつなげていってほしくて。

セリフまわしは自分でもこだわっている部分なので、印象的だと言ってもらえると嬉しいです。

確かに1つ1つの掛け合いが非常にリアルですよね。
よりキャラ達を身近に感じられるといいますか…。
リアルなセリフまわしを生み出すコツなどはあるのでしょうか?

キャラの動作のリズムとセリフのリズムが合うかっていうのを考えてます。
たとえば、振り返りの一瞬を切り取ったコマなのに長ゼリフだったらおかしいじゃないですか。
動作のリズムに合うセリフまわしとかコマ割りとか自分の中で理想のテンポ感があるので、
それを伝えられるように頑張っているつもりです。

すごく素敵です!
背景にはそういった工夫があったんですね。
この素敵なセリフまわしやテンポ感に関して、
影響を受けた作家さんや作品などがあればぜひ教えてください。

高橋留美子(たかはし・るみこ)先生の『らんま1/2』とか
そういうコミカルラブコメのテンポ感が好きなので、
コミカルさみたいなものはその影響を受けていると思います。
あと、母親の本棚にあって幼少期に読んでいた大和和紀(やまと・わき)先生の『はいからさんが通る』。
そのあたりが原点なのかなと自分では思っているんですけど。
あと、影響を受けているかどうかはわからないですが、
ずっと好きで憧れているのはいくえみ綾(いくえみ・りょう)先生です。

セリフまわしについては「洋画みたい」って言ってもらえたことがあるので、
洋画や洋画の和訳の影響は受けているのかなと思いますね。
洋画のキザで回りくどい言いまわしとか、
さらっと言ったセリフの意味が別のキャラのセリフを拾ってきたらわかるみたいな
ちょっと凝った言いまわしとかがかなり好きです。

どんどん次のページをめくりたくなるようなテンポ感は
確かに高橋留美子先生に少し似てるかもしれないですね。
ところで、今後描いてみたいエピソードなどはありますか?
(ネタバレにならない範囲で…!!)

特定のエピソードが描きたいというよりは、
長く連載が続いていろんな主人公2人が描けたらいいなと思っています。
晶と古羽がうまくひっついてくれるといいですけど、
ひっついたとしてその後もドタバタと問題が起きそうなので
そのあたりのエピソードを描きたいです。

あとはサブストーリーみたいなものが隙間で描けたら、
雅について深堀りする話があっても面白いかな。

魅力的なキャラですし、雅にフォーカスしたお話も読んでみたいですね。
話は変わりますが、先生のプライベートについてもお伺いさせてください!
時には作品作りに行き詰まることもあると思いますが、
そんな時はどんなことをして過ごしていますか?

行き詰った時はもうひたすら考えているタイプなんですよね。
壁の1点を見つめて考え続けるっていう。

ムキになってずっとやってるっていう感じで。
絵の方で行き詰まったらもう延々と描き直し続けます。
ゲシュタルト崩壊みたいな感じで悪化するまでやり続けることもあって。

お話のほうで詰まったときは、長風呂したらちょっと浮かぶとか
自分の中で儀式的なものがあってお風呂に入ることがあるんですけど。
まあ体力がないのでそう長続きもせずにパタンと寝てしまうこともあります(笑)。

漫画の合間に夢中になっているご趣味や休日の過ごし方もお聞きしたいです

推しが2次元と3次元にいるので、
2次元の推しを摂取するためにネットをウロウロしたり、
3次元の推しを摂取するためにライブに行ったりしています。
3次元の推しがロックバンドなので、そのライブに行くことが私の数少ない外出機会です(笑)。

ほかには、『Oculus Quest』っていうVRゴーグルで遊ぶのにもハマっています。
Googleマップでいうストリートビューの中に立てるようなアプリがあるので、
海外をウロウロしていますね(笑)。
VRの世界をうろついて外に出た気分になって、
もうとにかくもう家から出ないっていう(笑)。

VRの世界でふらっと海外を観光するのはいい気分転換になりそうですね!
このご時世、あまり外にも出られませんし…。
『Oculus Quest』私も検索してみようと思います。
それでは、最後に読者さんにメッセージをお願いいたします。

『枯れ恋リハビリ』を読んでくださってありがとうございます。
楽しく読んでもらえているといいなと思いながら、日々、試行錯誤しています。
仲良しの友達の恋愛話を聞いてやきもきするような、
アドバイスの1つでもしてやりたくなるような、
そんな感覚で愛してもらえる漫画になったら嬉しいです。
引き続き頑張りますのでよろしくお願いします。

湊はつはる先生、ストイックな漫画家としての一面とプライベートのお姿、
どちらも詳しく聞かせていただきありがとうございました。
だんだんと「枯れ」から抜け出していく晶と古羽を、
これからもファン一同あたたかく見守っていきましょう!


☆作品はこちら↓


☆インタビュー内容へのコメントやご感想は下記まで
comic_info@wwwave.jp

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