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インタビュー

矢吹先生インタビュー『SPOOKY TOKYO』

東京の街に潜む悪霊:スプーキーと、それを追う退治人コンビの活躍を描き、
ポップでオシャレなデザインのキャラが、迫力あるバトルを繰り広げるのが
魅力の作品「SPOOKY TOKYO」。今作の作者:矢吹先生に、
物語やキャラ作りの秘訣を赤裸々に語っていただきました!

インタビュアーの担当編集Hです!
まずはじめに、矢吹さんの今までのご経歴を教えてください!

漫画に関わる経歴と言えば、今は大学の漫画学部で学生をしています。
商業デビューはウェイブさんでの「SPOOKY TOKYO」からで、
他にはマガジンさんで奨励賞を取ったことがあります。

商業デビューで弊社を選んでいただいてありがとうございます!
矢吹さんはまだお若いのに最初から自分の世界観みたいなものをお持ちで、
初めてお話しした時からすごいと思っておりました!
では矢吹さんが漫画家になるのを志したきっかけはなんでしょうか?

昔から絵を描くのが好きだったからですかね…。
保育園の時から周りの友達にも、絵が上手いね上手いねと
もてはやされてきたので、調子に乗ってここまで来ました笑
きっかけとしては、小学6年生の時に卒業文集で将来の夢の欄に
「漫画家になる」と書いたのをずっと忘れずに覚えていたので、
そこから何とか意地で漫画家になったという感じです!笑

小学生の時から!早いですね!
もしかして小学生の時から漫画を描いてましたか?
クラスのみんなで回し読みするような!笑

ノートに描いてましたね!でも誰にも見せたりしてないです笑
キャラの設定を考えたりするのが好きで、自由帳7冊分くらい描いてました。
そこから「SPOOKY TOKYO」に活かした設定とかもあります。
描いた漫画が初めて人目に触れたのは、小学5年生くらいの時に
クラスの新聞係をしていて、そこに描いたストーリー漫画が初めてかもしれません。

なるほど!すごい量を描いてますね…!その時に描き溜めたものから
弊社での連載作にも活かされた部分があるというのは初耳でした!
では矢吹さんが影響を受けた作家さん、作品などはありますか?

一番昔に読んだ漫画はハヤテのごとく!なんですが、
大きく影響を受けたのは大暮維人さんの漫画ですかね。

確かに「SPOOKY TOKYO」には、大暮維人さんのエア・ギアとかにあるような
オシャレさ・ポップさや、アクションシーンでの大胆で迫力ある構図なんかも
意識されているところがあるのかなと思いました!
では、これまでは矢吹さん自身のことについて聞かせていただきましたが、
ここからは連載中の作品のことについて深掘りしていければと思います!
現在ご執筆中の「SPOOKY TOKYO」ですが、本作が誕生したきっかけと言いますか、
どういうところから発想されたのでしょうか?

まずは最初に、自分が昔作ったキャラクターを再利用して
新作で使おうと思ったのがきっかけでした。

なぜそのキャラができたかというと、昔に漫画の講評会みたいなところで
色んな人に自分が描いた漫画を見てもらう機会があったのですが、
その時に描いたものが印象に残りにくいキャラだと言われたので、
じゃあ一発で覚えてもらえるキャラにしようと、
頭が燃えているヤゲンを作ったのが始まりです。
ヤゲンができると、次はそれをさばくキャラが必要だと思い、
トーカができました。トーカはとにかくデザインにはこだわりましたね。

そこまでくると今度は読み切りを描いてみようと考えたところ、
ヤゲンは明らかに見た目が人間じゃないのに、そんなヤゲンが例えば、
自分が人間じゃないことに気付いていなかったりしたら面白いと思ったし、
じゃあそもそも人間と人間じゃないものの境目ってなんなんだ?とか
どんどん考えていって、それが今の話の原型になりました。

まずはキャラクターありきだったんですね!
確かに「SPOOKY TOKYO」のキャラは皆とても魅力的だと思います!
ではそれに関連して、「SPOOKY TOKYO」では敵味方含めてすべてのキャラが、
目が十字になったり、自分を人間だと思い込んでるお化けだったりと、
一癖二癖ある設定になっていると思いますが、
何かキャラ作りへのこだわりなどありましたら教えていただきたいです!

まず最初に主役となるキャラを2人作ることで、
その2人で会話の掛け合いができるようにするのを基本にしています。

その上で、その主となる2人のキャラから、
最も離れたキャラになるよう、ラスボスや敵キャラを考えるようにしています。
例えば、いつも無表情なトーカから一番離れたところとして、
いつも半笑いのラスボス:カイバを置いたり、
いつもテンションやばい原宿の敵キャラ:かじゅかじゅを置いたり、
というような感じです。

キャラ被りをしないように気をつけているんだと思います。
人間だって一人として同じ性格の人はいないですからね。

ただ、あんまり深く考えすぎないようにもしていて、突き詰めすぎると
どん詰まりになるので、そのキャラの第一印象を考えるくらいにしています。
自由に考えられる空きを頭の中に作っておくような感じです。

確かに人間もそうですよね!でもだからこそ「SPOOKY TOKYO」では
個性豊かなキャラがたくさん出てくるんだと思いました!
それでは矢吹さんは、ポップでおしゃれな画や世界観を描くのが
とてもお上手だと思うのですが、デザインの秘訣って何かあるのでしょうか?

漫画の内容に合わせたデザインというものを考えるのが大事かと思っています。
例えば、先ほど挙げた大暮維人さんの漫画も、
作品の内容によって一つ一つ絵や作風を変えていたりしていて、
こういった工夫が重要なことなんだと考えるようになりました。

あとはいろんなデザインを観察することも大事だと思いますので、
単純にゲームのキャラデザを参考にしたり、街中で服装のオシャレな人を探したり、
他に面白いのだと、ヴィク○リアズ・シークレットという海外の下着メーカーが
やっている、奇抜すぎるデザインのファッションショー動画なんかも見たりします!

自分としてもキャラの服をデザインする時間が一番楽しいですので、
今回の作品は学園モノとかじゃないし、服装を自由に考えられるのが良かったです。
なんだかんだ言ってやっぱり楽しんで描くことが一番大切かもしれません!笑

矢吹さんの作品では、迫力のあるバトル描写も見どころだと思いますが、
アクションを描く際に何かこだわっている点などありますでしょうか?

カッコ良ければ全て良しなので、他にあんまり
こだわりがないのがこだわりなのかもしれません!笑

あとは描いていて楽しい部分がないとしんどいので、
描きたい絵や描写があると筆がのりますね。

どんな描写があると筆がのるんでしょうか!?

足で蹴る!とか…足で蹴るとか!笑

第7話でもヤゲンが蹴りでラスボスの手をちょん切るシーンがありましたね!
第7話は前半がほぼセリフ無しで、ずっとアクションシーンだったのが
すごく印象的で熱かったです!

やっぱりアクション描く時は熱量が大事かなと思います。
こういうアクションが楽しそうだなとか、
こんなの描けたらカッコイイだろうなとか!
今回は原稿の解像度まで変えて細かく描きましたからね。

第7話はその熱量が伝わる素晴らしい回でした!
今後もこのアクションの熱量を絶やさずよろしくお願いします!
それでは、矢吹さん的に「SPOOKY TOKYO」の中で、
ここは頑張ったというポイントがあればお教えください!

これは作者にしかわからない、誰にも伝わらないところだと思うのですが…
原宿で戦う回に出てきたモブたちをたくさん描いたのが大変で、
ここはすごく頑張りました…!笑
別に顔が十字のモブでもいいかもとは思ったのですが、
どうせ描くなら全員ちゃんと描くか!と思ってこだわりました。

確かに矢吹さんの原稿では、モブや背景も全部、
矢吹さんの絵でちゃんと描かれているのが、統一感あって素敵だと思ってました!
背景に描かれた街の様子やお店の看板とかも凝ってて面白いですよね!

モブや背景は読者さんからすれば気に留めてもらいにくいところだと思いますが、
そういうところも実は結構描き込んでいて、原宿の竹下通りのシーンでは、
変なTシャツ屋さんの中に外国人のサインを入れておいたり、
可愛い外装のクレープ屋さんなのに、
看板に筆文字で「俺のクレェプ」って書いておいたり…!笑

あとは直近だと、第7話のトーカとカイバの髪を描き込んで頑張りました。
特にトーカは、今までの話だと髪を二つ結びにしていたので、
髪で動きをつけづらくてアクションが大変だったのですが、
今回の話ではそのフラストレーションを発散させるようにすごく動かしました!
ヤゲンの頭の炎のゆらめきも同様ですね!
やっぱり解像度変えてまで細かく描いて良かったです!

俺のクレェプ」って「俺のイタ○アン」みたいですね…!笑
そんな細かいところまでめちゃくちゃ頑張ってくれていたんですね…
ありがとうございます…!そうやって話を重ねるごとに
矢吹さんがどんどん進化されていくところにも注目して、
読者さんには見ていただけたら嬉しいですね!
それでは、今後描いてみたいキャラやエピソード、
掘り下げたい要素などはありますか?
連載中の作品に関連しないことでもかまいません!

すごい男くさい女の子が描きたいです!
「SPOOKY TOKYO」ではそういうキャラがいなかったですので、
すーごいヤンキーみたいな子とか描きたいです!笑
あと、逆にすごい男くさい男も描きたいです!

僕も矢吹さんが描かれる男くさい男を見てみたいです!笑
「SPOOKY TOKYO」ではキャラの等身自体も、5.5等身くらいの
デフォルメされた感じでしたので、リアルな等身の絵も見てみたいですね!

自分がすごく飽き性で、同じ絵ばかり描いてると飽きてくるので、
可愛いデフォルメ絵ばかり描いてると、リアルな等身の絵が描きたくなったり、
今度はその逆になったり…という感じです!

あとは、やっぱりメインキャラは2人体制が良いですね!
それもボケとツッコミがしっかりやり合う感じのやつです!
「SPOOKY TOKYO」では、トーカはほとんどしゃべらないし、
ヤゲンはなぜか敬語だったので、もし次やるなら
タメ語で2人が激しく掛け合いするようなものを描きたいです!。

僕もそんな漫才みたいなやりとり見てみたいです!
面白そうですね!機会があればぜひやりましょう!
ではこちらが最後ですが、配信を楽しみにしている読者さんに一言お願いします。

SPOOKY TOKYOを生温かい目で見守っていただけたら
それで充分です!ありがとうございます!

矢吹先生、ありがとうございました!
今後も「SPOOKY TOKYO」の応援をよろしくお願いします!
これからの連載もぜひご期待ください!

☆作品はこちら↓

☆インタビュー内容へのコメントやご感想は下記まで
comic_info@wwwave.jp

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