くりゅう先生インタビュー『夜伽が禁忌のこの世界で』
現在大好評連載中の『夜伽が禁忌のこの世界で』は、
魔力で子を宿す異世界へと転生したクラリスが、
王子アルヴィンと禁忌とされる夜伽で愛を深めていく、
異世界ファンタジー少女漫画です。
斬新な世界設定を美麗な絵で鮮やかに彩る作者・くりゅう先生に、
今作に関する様々なエピソードをお伺いしました♪
今回のインタビュアーは、担当編集のBです。
早速ですが、くりゅう先生のご経歴をお聞かせください。
高校を卒業する間際に商業誌で賞をいただいたのをきっかけに、
漫画家になりたい!と強く意識するようになりました。
ですが、卒業後は暗黒時代でして…。(笑)
アルバイトをしながら趣味でイラストは描き続けていましたが、
生きていくのに必死でとても漫画を描くどころではなく、
そんな状況が5、6年続いていました。
そしてコロナ禍に入り、
働いていた飲食店が休業となって手持ち無沙汰にしていたところに、
ちょうどウェイブさんからお声がけをいただいて。
最初はボイスコミックのお仕事で、
その後「連載作品も描いてみませんか?」とお話をいただいたのが
本格的な漫画家活動のはじまりでした。
漫画家を目指す上で、影響を受けた作家さんや作品はありますか?
小学生の頃は講談社の『なかよし』を愛読していました。
絵に関して一番影響を受けたのは、
『ハニー』や『てをつなごうよ』の作者である目黒あむ先生です。
絵がとても好きで、参考にしながらたくさん練習をしました。
お話や作品全体を通して尊敬しているのは、『ハイキュー』の古舘春一先生です。
他にも影響を受けた作家さんは多くいますが、お二方からは特に影響を受けたと思います。
続いて、今作についてもお伺いしていきたいと思います。
異世界系の少女漫画というジャンルの印象はいかがでしたか?
私に描けるのかな…?と、お話をいただいた時はビックリしました。
異世界系ファンタジーの漫画作品を読んだことがなかったですし、
想像力を広げるための引き出しすら無い状態だったので、最初は不安でしたね。
けれど、世界観やお話を考えるにあたって、
現実世界ではできないことも異世界なら何でもできちゃうな、という印象もあって。
楽しそう!という期待と、大丈夫かな?という不安が同時に来た感じでした。
今はもう魔法の設定を活かしたお話作りもできていますし、
異世界に対する感覚もだんだんと掴めてきているかと思います。
私が異世界系に疎い分、担当のBさんがしっかりと指摘してくださるので、
それも非常に助かっています。
ネーム当初は、異世界なのに冷えピタが出てきた、
なんてこともありましたね。(笑)
アルヴィン様の設定も、最初は「趣味:映画鑑賞」とか書いていた記憶があります。
異世界に映画は無いだろう!っていう。今思うとありえないですね。(笑)
キャラを描く上での、こだわりポイントはありますか?
作画に関しては、アルヴィン様の表情にこだわって描いています。
というのも、アルヴィン様はクール系のキャラなので、
目元を崩さないまま感情を表現するのがとても難しくて。
試行錯誤しながら学ぶうちに、以前より目や眉毛の角度を意識して描くようになりました。
特に眉毛は1mm 2mmの差でも表情が変わるんだな、と感じましたね。
今作は着色もくりゅう先生ご自身が担当されていますが、
着色の時に意識されていることはありますか?
光源の入れ方を意識しています。
ベッドにいるシーンや外にいるシーンなど、
印象的なシーンは日の光の入り方を気にして、
立体的に見えるようにしたいと考えています。
あとは、この作品は背景が細かいので、
背景と人物で塗りの差をつけるのは、今も勉強中で頭を使います。
背景を人物と同じくらい塗り込んでしまうと、人物を喰ってしまうので、
ちょっとぼかして淡く塗る、白く飛ばして奥行きをつけるなど、
ゴテゴテしすぎないような処理をしています。
くりゅう先生の着色は、全体的に今風な塗りですよね。
今時の塗り方を色々と勉強したので、そう言っていただけると嬉しいです!
カラーは本当に苦手で大嫌いだったので、過去の自分に教えてあげたいですね。
今は大丈夫ですか?(笑)
今は楽しんでやれています!
カラーだと洋服のザラザラとした質感であったり、絨毯のモフモフ感であったり、
色んなエフェクトがかけられるのも楽しいです。
逆にモノクロで描いていなさすぎて、モノクロ難しいなって感じています。(笑)
続いて、執筆中に印象に残った出来事はありますか?
第1話が出来上がった時は、ものすごく達成感がありました。
今までの作品ももちろん、その時できる全ての力を注いで描いてはいたのですが、
今作が初めての異世界系の作品というのもあり、
作画量的にも過去一番のヤバさだったのもあり(笑)
完成した時は、自分でも何回も読み返すくらい
「良い作品できたな…!」という実感がありました。
そういった感覚は初めてだったのでとても印象的でしたね。
読者さんの中にも、「一コマ一コマずつしっかり見ちゃう」と言ってくださった方もいて、
とても嬉しかったです。
執筆中に行き詰まってしまった時は、どんな息抜きをしていますか?
寝るか、Uber Eatsで大量のケーキを買うか、一人で映画館かカフェに行くか、ですね。
一番は映画鑑賞が多いですかね。
京都アニメーションの作品は視覚的にもとても美しく、
いつも刺激とやる気をもらっています。
着色の話でもあった光源の入れ方なんかは、特に勉強になります!
今作で、今後描いてみたいエピソードはありますか?
二人が住んでいるシエロ王国には、
一年中青い花が咲き誇っているという裏設定があって。
なので、青い花をキーアイテムとしたエピソードを描けたら良いな、と思っています。
また、アルヴィン様が氷系の魔法が得意という設定もあるので、
綺麗な氷のお話が描きたいなぁというイメージもあります。
それでは最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします!
まずは、作品を読んでいただいて本当にありがとうございます。
漫画って、誰かに見つけて読んでもらわないとただの紙やデータで終わってしまうので、
皆さんが見つけて読んでくださったことで漫画になれたんだと思います。
今作を漫画にしてくださって、本当にありがとうございます。
クラリスとアルヴィンの二人の距離感がどう変化していくのか、
わくわくドキドキしながら読んでいただけたら嬉しいです。
今後の展開も、ぜひお楽しみに!
くりゅう先生、ありがとうございました!
青く美しい異世界で密やかに行われる禁忌の夜伽。
果たしてクラリスは無事にアルヴィンとの子を授かることができるのでしょうか?
仲睦まじく微笑ましい二人の姿を、どうぞ温かく見守りください。
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