山瀬ゼン先生インタビュー『元死刑囚でも私を愛してくれますか?』
大好評連載中!『元死刑囚でも私を愛してくれますか?』は、殺人の罪で死刑執行されたはずの幼馴染・爽が、主人公・樹の目の前に現れ、世間を敵に回しながらも二人で愛を紡いでゆくダークミステリー作品です。
モノクロの世界で際立つ爽の真っ赤な瞳に、先の読めない展開に、注目が集まっています。
本作にまつわるエピソードからプライベートのお話まで、作者・山瀬ゼン先生にお伺いしました!
今回のインタビュアーは、担当編集のTです。
まずは、山瀬ゼン先生が漫画家になったきっかけを教えてください。
幼稚園生の頃から漫画が好きで、『ポケットモンスターSPECIAL』を愛読していました。
ポケモンはゲームも遊んでいましたが、漫画作品はオリジナル要素が強く、そこに面白さを感じていました。
漫画の主人公たちがとても魅力的で、ゲームのシリーズごとに主人公が入れ替わっていくんですよね。
ゲームとは違ったオリジナルのキャラクター性やストーリーに惹かれ、小学生のときは作品を読みながらよく模写をしていました。
きっと、今の私の絵柄や作風にも多大な影響を及ぼしていると思います。
高校生になると二次創作にハマり、同人誌を描いていました。
当時は、『カゲロウプロジェクト』という小説や漫画、アニメなどのメディアミックスで展開されたプロジェクトの作品をメインに、二次創作活動をしていました。
社会人になってからは、イラストレーターとしてSDキャラクターを描いたり、ゲームのUIを作ったり、クリエイティブ職に就いていた時期もありましたが、辞めてしまって。
その後は数年間、一般企業に勤めていました。会社勤めをしていた頃は、帰宅すると心身ともに疲れ果て、何をする気も起きなくて、絵を描くことからも離れてしまっていたんです。
しかし、桜井のりお先生の『僕の心のヤバイやつ』を読んで、「なんて面白い作品なんだ!」と衝撃を受け、一気に気持ちが盛り上がり、二次創作に対する熱意が戻って再び絵を描くようになりました。
創作意欲が再熱した結果、数冊の同人誌を制作。その活動をきっかけに編集者の方からお声がけをいただいて、商業漫画家としての活動をスタートしました。
影響を受けた作家さんや作品を振り返ると、確かに山瀬ゼン先生の作風と共通した雰囲気を感じます。
そんなルーツを持つ先生が手がける『元死刑囚でも私を愛してくれますか?』について、本作は初挑戦となるジャンルかと思いますが、連載をしてみていかがですか?
本作では、「殺人の罪で死刑執行されたはずの初恋の幼馴染が、実は生きていた」という、かなりショッキングなエピソードから物語がはじまります。
そういった部分を含め、これまでに描いたことのない雰囲気の作品なので、制作中は私自身も緊張感を感じています。
主人公の樹と幼馴染の爽は、世間一般から罵詈雑言を浴びせられ、迫害を受けますが、描きながら、「二人とも頑張れ!!」と応援する気持ちで制作しています。
お気に入りのキャラクターと、そのキャラクターを描く上でのこだわりを教えてください!
ヒロインの爽がお気に入りです。
爽は、樹の初恋の相手だけれど、元死刑囚でもあるので、可愛らしい雰囲気のなかにも、どこかミステリアスな魅力を持ったキャラクターになるように意識しています。
爽がにこやかに微笑みかけてきても、首元に残る絞首跡がどうしても目に入りますし、樹へ語りかける口調も以前と変わらないように思えて、含みがあったり……。
読者の皆さんも樹と同じように、爽の魅力にどんどんと引き込まれていってもらえたら嬉しいです。
漫画制作の作業工程で、山瀬ゼン先生が一番大変だと感じるのはどういった部分でしょうか?
一番頭を悩ませるのは、ネーム作業ですね。商業誌は同人誌とは異なり、ページ数が確定しているので、決められたページ内にプロットを落とし込んでいく必要があります。
それがいつも大変で、メモを取りながら作業しています。
作品づくりに行き詰まったときは、どのように気分転換をしていますか?
作業が思うように進まないときは、あたたかいお風呂に入ってリフレッシュします。
以前は柑橘系の匂いがする入浴剤にハマって入浴剤にハマっていました。
今は入浴剤を入れずに、ただお湯に入るのが好きなんですけどね。
あとは、モルモットを飼っているので作業の合間に癒されています。
一緒にいるだけで幸せになれる、笑顔をくれる存在です。
私が座ったり寝転がったりしていると、ぴょんぴょん飛び跳ねて上に乗ってきたり、遊び疲れたら近くに休憩(寝転がりに)しにきてくれて、いつも癒しをもらっています。
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします!
樹と爽は、世間から厳しい目を向けられていますが、果たして二人がどのようなエンディングを迎えるのか、ぜひ最後まで見届けていただけたら幸いです。応援をどうぞよろしくお願いします。
先生のルーツや作品の魅力が紐解かれた、大変貴重なインタビューでした。
山瀬ゼン先生、ありがとうございました!
たとえ日本中を敵に回したとしても、止められない二人の『愛の物語』。
今後の展開に、ぜひご注目ください!
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