インタビュー

本尾みゆき先生インタビュー『だってワタシ、120点だもの。』

大好評連載中!『だってワタシ、120点だもの。』は、マウント女子の主人公・美咲が幼い頃に見下していた同級生・瞳と再会し、かつての上下関係が奇妙に変化していく人間ドラマを描いた作品です。女性特有のドロドロした世界を痛快に描く作者・本尾みゆき先生。本作へのこだわりやキャラへの想いを丁寧にお話いただきました。

今回のインタビュアーは、担当編集のKです。
まずは本尾みゆき先生のご経歴を教えてください。

元々は別の編集部で、別名義で作品を描いていました。しかし、その編集部が解散することとなり、Kさんにお声がけいただいてウェイブに移り、今の名義で作品を描くようになりました。

懐かしいですね。それでは早速ですが、本作のお話を伺っていきたいと思います。
本作は「マウント」をテーマにしていますが、このテーマを描く上で特に意識していることはありますか?

私自身が「マウントを取る・取られる」といった環境とは縁遠かったので、まずは「マウント」についてリサーチを重ねました。インターネットで調べたり、実際に会社で働いている同年代の友達から話を聞いたりしています。そして、ママ友同士や職場環境で、どういったマウントの取り合いが繰り広げられているのかを調べていくうちに、決め台詞として「カッコいいな!」と思う、芸術点の高いマウントが多いと気がつきました。例えば、「あなたより私の方がお金持ちだから」と直接的に言うのではなく、旅行の話や買い物の話にうまく混ぜ込んで、「これって、よく考えたらマウント取られている…?」と感じるくらいの絶妙なニュアンスで伝えてくるんですよね。

なので、作中で美咲がマウントを取る時も、できるだけ芸術点の高い、美しい台詞になるように意識しています。とはいえ、リサーチの最中に見かけたような、強烈なマウント決め台詞には未だに至っていないと思うので、まだまだマウント模索中です。(笑)

「このマウントは決まったな!」と思う、お気に入りのシーンはありますか?

実は、マウントで「決まった!」と感じるシーンは、あまりないんです。主人公の美咲がマウントを取ったと思っても、うまくいかないことが多いので、逆にライバルである瞳が美咲のマウントに対しておかしなことをしてビックリするシーンで「決まった!」と感じることが多いです。

特に、第18話の美咲と瞳が衝突するシーン。作画的にも気に入っていますし、このシーンを盛り上げるために第16話あたりから徐々に作り込んでいったので、思い入れも強く、瞳の様子が変わったところで「決まったな!」と思いました。(笑)

あそこはぜひ読んでいただきたいシーンですよね…!
さて、美咲と瞳のお話が出ましたが、お気に入りのキャラについて伺えますでしょうか。

長く連載を続けてきたので、主人公の美咲のことは友達のように感じています。最初は特別お気に入りのキャラという訳ではなかったけれど、もう2年も毎日彼女のことを考え続けているので、気がついたらお気に入りのキャラになっていました。

2年ですか…美咲ともなかなか長い付き合いになってきましたね。
ちなみに今後、他に深掘りしたいキャラや、もっと描きたいシーンやエピソードなどはありますか?

主人公である美咲のエピソードはこれまでにたくさん描けているので、今後は敵対するライバルキャラの瞳について深掘りできたらなと思います。
瞳の本心を知っているのは、今は作者である私だけなんですよね。最近では、美咲の肩を持ってくれたり、同調してくれたりする読者の方が増えてきたこともあり、瞳に対して疑念を抱くコメントもちらほら目にするので、きちんと瞳の心の内を描いて伝えられるまで、話数を重ねていきたいと思います。

本作は本尾さんの作品の中で最長の連載作となりましたが、話数を重ねていくと、時には作品づくりに行き詰まることがあるかと思います。そういった時は、どう解決していますか?

最近は制作ペースがカツカツで、行き詰まっても立ち止まる余裕がありません。だからこそ、行き詰まった時にはKさんにすぐにご相談するようにしています。
例えば、話の大枠はできているけれど、細かなセリフやエピソードが決まっていない時は、まずはKさんにそのまま投げてみて、とにかく打ち合せをしてもらいます。その話し合いの中で、最初は想定していなかったような全く新しい解決策が見つけられることがあるからです。

確かに、打ち合せで細かいところまで決まることが多いですね。

私の中に崩したくないキャラ像があるので、打ち合わせをして試行錯誤する中で、キャラに対するこだわりが指針となって、新たなアイデアやエピソードが生まれてくることが多々あります。自分ではボツだと思っていた小ネタも、Kさんがピックアップして話を広げてくださるので、まさに二人三脚で作品を作っているという気持ちです。

その気持ちはとてもありがたいです…!
それでは、作品の内容についてはこれくらいにして、プライベートについてもお話を聞かせてください。
息抜きにしている趣味はありますか?

半年前からテニスをはじめました。漫画制作は孤独な作業なので、人と接する機会が極端に少なく、連載を続けるうちに寂しくなる瞬間が増えてきたんです。そこで、「人と関わる場所に行こう!ついでに運動不足も解消しよう!」と思い立ち、学生の頃に経験のあったテニスをはじめました。
「すぐに辞めちゃうかな?」なんて思っていましたが、コーチや生徒の皆さんとのあたたかな交流が心地良く、また、毎週のテニスの予定を守るために、ちゃんとネームをやろう、原稿を間に合わせようと漫画制作面でも良い効果があったので、楽しく続けられています!(笑)

今後もぜひ、テニスの予定を守っていきましょう…!(笑)
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします!

作品を読んでくださって、ありがとうございます!
本作はサスペンス要素もあり、「これって結局どうなるのだろう?」と思う伏線が散りばめられていますが、最終話までにはそれらをきっちり回収して、読者の皆さんに「読み続けてきて、良かったな」と思ってもらえる作品にしたいと思っています。

最近の美咲はちょっと可哀想な目に遭っているので、その姿を見るのが辛くなる時もあるかもしれませんが、最後まで見守っていただけたら嬉しいです。
引き続き、作品をお楽しみください!

漫画制作から貴重なプライベートのお話まで、生き生きと語ってくださいました。
本尾みゆき先生、ありがとうございました!
美咲と瞳、そして子どもたちも巻き込んで変化していく上下関係。
各々の人間性や心理戦にも注目しながら、今後の展開をお楽しみください!


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comic_info@wwwave.jp

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