インタビュー

Peco★先生インタビュー『やさしい、サディスティック~旦那様は、過剰に愛を注いでしまう』

『やさしい、サディスティック~旦那様は、過剰に愛を注いでしまう』は、
一見優しそうなのにドSな旦那・一真とヒロイン・七海が結婚生活を送ることになる物語です。
ドSなのにどこか優しさも感じる独特なキャラクターを作り上げたPeco★先生に、
今作への想いを語っていただきました!

今回のインタビュアーは担当編集のNです。
早速ですが、Peco★さんが漫画家になったきっかけを教えてください!

はっきりと「よし、漫画家になるぞ」と思うようなきっかけは特になかったですね…!
ただ、小学校・中学校・高校ずっと周りに絵を描く友達がいて、
自分も絵を描く事がずっと好きだったので絵の交換日記をしたりしていた中で
なんとなく自分も絵を描く仕事に就きたいなと思ってました。
高校卒業後に絵やデザイン系の専門学校にいく子も多かった中、
自分は就職したのですが、絵を描く事は辞められなかったです。

ありがとうございます。
漫画を描くうえで影響を受けた作品を教えてください!

私が少女漫画は2人がくっつくまでの過程が好きなタイプなので、
学生の頃は少女漫画より少年マンガの方が好きで
『黒執事』がとくにお気に入りで、よく読んでいました。
ただ、これまで描いてきた作品とはまったくジャンルが違うので、
作画やストーリー作りに影響しているかどうかはわからないです…。

少女漫画も読んではいましたが、
もともと「漫画家になるならバトル系の漫画を描きたい」と思っていたので、
少女漫画はそっちのけで少年漫画ばかり読んでいました(笑)。
友達に貸したり逆に借りたりして夢中になっていましたね。
バトル系作品やRPGゲームのような話が描きたかったので、そうした作品を中心に。

『りぼん』や『ちゃお』などの王道少女漫画誌も読んではいたんですが、
その時は少年漫画のように「こういうのが描きたい」っていう作品はあまりなかったです。

今作は少女漫画的な要素も多いので、
少年漫画家を目指していたとは…意外です!
ただ心理戦のような描写は「戦い」に近いので、少年漫画のノウハウも役立ちそうですね…!
続いては今作についての質問に移ります。
今作では「旦那さんなのにドS」という独特なヒーローが登場することで話題沸騰中ですが、
このヒーローを描く上で特に意識していることはありますか?

ヒーローの一真は、優しさが見えすぎないように気を付けて描いています。
ドS要素が少なくなってしまうと「優しそうなのに実はドS」というキャラが崩れてしまうので…。

私はもともとドSのキャラが好きなんですけど、今まで自分の作品で描いたことがなくて。
一真のキャラクター像を作り上げるときは凄く悩みました。

読者さんからのコメントでは、
「ドSなだけだと思ったらもしかしてヒロインのことが好きなの!? 」という声もよくいただきます。
「これからどうなっていくんだろう」と興味を持ってもらえているので、
今後も楽しんでもらえるように優しさとドS要素のバランスをうまくとりたいです。

今作はツンデレ夫の言動を「拡大解釈」するシーンが魅力的ですが、
一番好きな「拡大解釈シーン」はどこですか?

現時点だと、一真が和菓子をくわえているシーンがお気に入りです。
とくになにか決めているわけではないんですけど、
この話以降は食べ物を七海に食べさせるシーンが続いています。
この流れはちょっと好きかなって(笑)。

あと拡大解釈シーンの七海の妄想内では、
いつもクールな一真が満面の笑みを浮かべていることもあります。
普段とは違う一真が描けるので、楽しいですね。
ギャップがあればあるほど描くのが楽しくなってくるんですが、
キャラ崩壊させすぎないように気をつけています。

妄想の中だと一真がいつもの様子からは考えられない言動をするので面白いですよね。
次はお気に入りのキャラとそのキャラを描く上でのこだわりを教えてください!

やっぱり一真がお気に入りですね。
七海も可愛く描くのが楽しいキャラなんですけど、
やっぱり一真をかっこよく描くっていうのが一番楽しいです。
一真はあまりほかで見ない髪型がトレードマークなので、
一真を描くときはそこを意識して描いています。
とくに、髪を下ろしているときと上げているときの差、
上げているときの髪の毛の流れは気をつけて描いている部分です。
あとはおでこが広すぎたり狭すぎたりしてしまいがちなので、
うまくバランスをとるようにしています。

ほかには、ほくろも注意して描いています。
左右が逆になってないか、描き忘れが無いかなど、
ほくろを描くときに気になる点は多いです。
私はほくろがあるキャラが好きなんですけど、
「連載中はこんなに気を使うのか」って驚きましたね(笑)。

ありがとうございます。
実はそこ、かなり気を遣う部分なんですよね!
ホクロやひげ…眼鏡が抜けないように見張りますね(笑)
ちなみに、出してみたいキャラや今後描いてみたいと思っているシーンはありますか?

出してみたいキャラクターは、一真のお兄さんです。

一真のお兄さんを出すなら、七海をめぐって三角関係になるようなところを描いてみたいですね。
たとえば、一真が「お兄ちゃんに取られるんじゃないか」と思うシーン。
いつも通りクールに見えるけど内心焦っている一真の様子を描いてみたいです。

これまで連載してきた中で、一番大変だったシーンを教えてください!

大変だったのは一話冒頭のお縛りシーンです。

今作のプロットの段階から、どの程度の内容まで描いていいのかがわからなくて苦労しました。
やりすぎたらアウトになりそうな気がして。
過激な描写の加減が分からずとても悩んだシーンでした。

ただ、この一話を乗り換えたからこそ、
同じように縛られるシーンが出てくる3話では楽しく作画できました。
なので一話で苦労した経験は、今作の制作全部につながっている気がしています。

ありがとうございます。
次は漫画作り全般についての質問です。
プロット、ネーム、作画、仕上げなど漫画制作にはさまざまな過程がありますが、
一番好きなのはどれですか?

一番好きなのは作画で、とくに下書きから線入れを行う作業がお気に入りです。
作画は最も時間がかかる作業なんですが、ほかの作業と比べて仕上っていく実感が持てます。
プロットやネームでさんざん悩んで作り上げたものが形になっていく過程なので。

逆に苦手なのはプロットとネームです。
この2つはとくに悩む過程なので、担当さんへの提出日の夜にようやく思いつくことも多いです。

ところで、時には作品作りに行き詰まる事もあると思いますが、
そんな時はどんな事をして過ごしていますか?

仕事が行き詰ったときにやるのは、「仕事をやらない」ですね(笑)。
作業を止めて外に散歩に行くか、別の作品……映像や漫画など、
全然関係ないジャンルを含めて鑑賞します。
「どこかにネタがないかな」と思いながら。

学生時代は家が離れていて途中から1人で帰ることが多かったので、
その道中でよくストーリーを妄想していたんです。
だからなのか、散歩しながら考えると話が作りやすくなります。

それでは、最後に読者さんにメッセージをお願いいたします。

コメントをいただくとすごく励みになったり、
「あ、こういう目線で見てくれてるんだ」というのがわかったりします。
読者さんからの声を聞くと「これからも頑張ろう」っていう気持ちになれるので、
これからも応援よろしくお願いします。
まだまだ作画も拙く、成長段階なんですけど、
これからも作品を読んでいただけたら嬉しいです。

Peco★先生、今作のキモである一真や作品全体について
たっぷり語っていただきありがとうございました。
ネタバレになってしまうので詳しい内容はいえませんが、
これから主人公2人の距離がどんどん縮まっていくのをぜひ見守っていきましょう!


☆作品はこちら↓


☆インタビュー内容へのコメントやご感想は下記まで
comic_info@wwwave.jp

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